ピース
umineko
他者を語る私は どこか残酷だ
私は他者にはなれないし
私は私でいるしかない
人はどこまで
他者に近付けるのだろう
私には明確に皮膚がある
寄せつけないため
私のやわらかい部分
あなたのやわらかい部分
じゃれあって
溶け出して
老人の見上げる体育館の天井は
きっと今日も同じだろう
バスケットゴールが
落ちてきやしないかと
そんな時私には
歌える歌などないから
あなたの弱い部分
私の弱い部分
差し出して
探し当てて
私にはどうしても
世界が
パズルのようには思えない
この
巨大な錦絵の
たぶんひとつのピースとして
誰かの声を聞く
目を見てじっと話す
時々
あなたのこと 想う
他者でないその内側に
あなたはいるよ
私のひいた
砂漠の海に