ピース
umineko

他者を語る私は どこか残酷だ
私は他者にはなれないし
私は私でいるしかない 

人はどこまで
他者に近付けるのだろう
私には明確に皮膚がある
寄せつけないため

私のやわらかい部分
あなたのやわらかい部分
じゃれあって
溶け出して

老人の見上げる体育館の天井は
きっと今日も同じだろう
バスケットゴールが
落ちてきやしないかと

そんな時私には
歌える歌などないから

あなたの弱い部分
私の弱い部分
差し出して
探し当てて
  

私にはどうしても
世界が
パズルのようには思えない

この
巨大な錦絵の
たぶんひとつのピースとして

誰かの声を聞く
目を見てじっと話す
時々
あなたのこと 想う
  

他者でないその内側に
あなたはいるよ

私のひいた
砂漠の海に  

    

    
  




自由詩 ピース Copyright umineko 2004-10-31 08:49:01
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