共鳴
朧月

遥かから点された目薬のように
瞳から胸は貫かれた
切なくカラダはよじれて
過去は私を覆う

経験は動かしがたく
私を捕えてしまい
どんなに泣いても
また身動きできないでいる

許すとか 許されないでなく
なによりも自分が弱くて
呼吸することすら 世界の
端の端を選ぼうとする

弱くいることもまた
重荷だと知っているけど
強くあることもまた
負担なのではないだろうか

均一の力があれば
地球はまっすぐまわるのだろうか
かしげた首のようにまわるのは
それは優しさではないだろうか

地中の熱はだれかの
支えあって燃えているのなら
自分の弱さの中の
僅かな力 注ごう

私が泣く この手を
君がそっと握るように



自由詩 共鳴 Copyright 朧月 2011-01-25 23:01:46
notebook Home 戻る