お代り
たもつ
列車も停まらないような
ホームの一番端でひとり
ご飯を食べている
ちゃぶ台は誰かが置いていってくれた
多分、親切な人なのだと思う
納豆や根菜類の煮物など
好きなおかずを並べて
やっぱり白いご飯は美味しい
並んだ人々は何かを待ったまま
小さくかじかんでいる
通過した特急列車の風に
焼海苔が飛ばされる
やがて細かく砕け
曖昧なものになるのだろう
前後関係がうまく繋がらない
古い記憶のように
もう一杯食べたいけれど
炊飯器は
産まれた町に忘れてきてしまった
お代りが遠い
自由詩
お代り
Copyright
たもつ
2011-01-23 21:55:12
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