錦糸町マークⅡ
……とある蛙
東京の東の場末の少し前
相撲とりと競馬狂い
ちょっと一杯ひっかけようと、
そぞろ歩きの錦糸町南口
客引きの中国人の女やら
街頭ライブの若い子やらが
ネオンの極彩色にまみれながら
何やらすごいの大声で
歌うか喚くか
ノイズの中を
手を引く女のひそひそ話
ここは錦糸町南口
東京の東の愛万博
夜の国際都市
狂い咲き
タイに、ビルマに、中国人。韓国、ロシアに、ルーマニア。チェコ人、スロバキアに、モンゴル人。ラオスに、パキにもちろんフィリピン人
あらゆる人種が巣くう街
金と愛、アルコールが行き交う街
愛ではなく性だろうって
どちらも欲をつければ似たもの同士
愛欲性欲似たもの同士
売春は不潔だとぅ
莫迦言っちゃいけないよ
生きる縁(よすが)の金と欲
その場で金目のものもらうのが売春でぃ
後からたんまり引き出すのが女房でぃ
後からのは愛っだってさ
ちょっとした誤解
神は宣う
愛が必要だ
馬鹿言っちゃいけないよ
黙れこのヤソかぶれが
日本の神は愛などということはいわない。
今の意味での愛というのはごく最近輸入した
外来語。
友愛とかその程度でしか使われなかった言葉
自分が理解されないなどと
世迷い言言っている輩に
エクスタシーは無い。
それがこの街の存在価値だ
また極彩色の国際都市
愛と金、アルコールが飛び交う街
そこに沈む爺(おのれ)一人
はっはっは