暗黒のうた
吉岡ペペロ

みんな宇宙からもらった炭素でできている

みんな炭素の波動にすぎない

わたしは胃をこわしている

わたしは肝臓をこわしている

炭素がなにかの身代わりをしてくれている

炭素はたまにそうやって

わたしの身代わりになってくれている

ありがとう!宇宙!

ありがとう!炭素!

ありがとう!わたしの胃!

がんばれ!わたしの肝臓!


銀河系の大きさが

皇居から東京駅までだとしたら

アンドロメダへは

東京駅からサンフランシスコまでいかないと

ぶつかることはないんだという

東京駅からサンフランシスコのあいだには

それはもう暗黒しかないんだという

あきらめるしかないような暗黒いがい

宇宙には存在しないのだ

だから隣人がいとしく思えることなんか

だから隣人がうっとおしく思えることなんか

あたりまえのふつうのことだ

遺伝子をONにして目を閉じていれば

なにが真実で

なにが真実のものまねをしているのかが分かる


みんな宇宙からもらった炭素でできている

みんな炭素の波動にすぎない

わたしは胃をこわしている

わたしは肝臓をこわしている

炭素がなにかの身代わりをしてくれている

炭素はたまにそうやって

わたしの身代わりになってくれている

ありがとう!宇宙!

ありがとう!炭素!

ありがとう!わたしの胃!

がんばれ!わたしの肝臓!



自由詩 暗黒のうた Copyright 吉岡ペペロ 2011-01-22 12:51:38
notebook Home 戻る