朧月

鏡をみると母だった
あれほど拒否していた
母の部分が顔にあった

どんなに顔をぬぐっても
私は確実に母になるのだろう

父は知らないけど
知らない父の今も
鏡にうつっている気がして
そっと頬に触れた

やや疲れた朝に
覗いた鏡に 映った両親
やっぱり ひとりじゃ生きられない

少し背を伸ばして部屋を出る
いつか言い訳するために



自由詩Copyright 朧月 2011-01-21 21:57:49
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