ず    れ    
久石ソナ

音をはずした
指先が曲がり
おこがましい
眠気へと倒れ
込んでしまう

彼女は私に嘘を吐きました。その嘘はあまりにもたくみでありましたから、私はその嘘を見破ることなど、したくなかった。したくなかったのに彼女、自分が嘘吐いていること笑って教えてくれたんです。そんなこと教えなくても私気付いていましたから私、嘘吐いているって気付いていますから。私の嘘なんで。

すうって音の
 ずれが怖い
  体を反転
   させて
   私いま
    叫び
    散そう
    と試みて
    いますから
    嘘吐きますね



                 組曲「果実日和」より


自由詩 ず    れ     Copyright 久石ソナ 2011-01-19 16:49:59
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