朝
草野大悟
激しくむせながらやってくる
家が悲鳴をあげる
冬空が落ちてくる
私は日本茶を二杯飲む
ヒガンバナがヒマワリを連れてくる
ムツゴロウが風を呼んでいる
パキラとガーベラが手をつないでいる
アナタは手足口悩を欲している
キルケゴールは絶望に絶望し
ニーチェは超訳に苦笑いし
プラトンは羽目を外しすぎ
ソクラテスは相変わらず妻に叱られ
百三はホモであった
虹色という便利な色をいったい誰が考えたのだろう 夢色は思う
三杯目の日本茶で満たされた腹はなぜ生姜飴なのだろう
ダイソーのザ・ボタンはめずらしく日本製だ
パタカラは
はたして
口を
開くのか
はたして
期待どおりの口を
もたらすのか
?が∞する
携帯は三人仲良くまだ眠っており 当分起きる気配がなく
電子レンジも寝ぼけ眼でチンしているが
ファンヒーターだけは早くも全力投球の汗をかいている
テーブルヤシは名前どおりにテーブルに置かれたことは一度もなく
不当な弾圧に耐えながらシュプレヒコールを繰り返すが
三太郎はもう日記を書かない
朝の笑顔が光を抱いて 今日一日の始まりを告げている