冬のおもさ 〜改訂〜
ポー


雪の降らないこの街に

しんしんと積もっている


たくさんの出会いの中に

大きな別れが雪と共にやってくる


生き別れに死に別れ


また 雪が積もった


余命いくばくも無い兄様に 雪の中を会いに行く

死を悟っている兄様に 勇気を振り絞って 元気に笑って見せた

そう 夕べは兄様を想い 涙枯れるまで 泣いたから

きれいな穏やかな表情の兄様

私の病の回復に安堵して
もう未練はないと…


「お疲れ様 兄様もう頑張らなくていいよ」
口に出せず心にしまった

桃の花が咲く頃 また笑顔で会えるのだろうか



私の寂漠の想いなのか
水に張った氷を無性に壊したくなり 粉々にしていた 


この冬…たくさんの別れ

この街に雪が降り積もるたびに 想いだすだろう

生在る限り ずっと ずっと…この冬の様々な別れを



きれいな想いを遺してくれた

そう 信じたい



この街にまた雪が積もったら

私は何を想い 何を感じるのだろう


別れた方々 別れる方々へ
どの世界に在っても 笑っていられるように

今 願う



雪の降らない街に

雪が積もったら

また 想えばいい

また 願えばいい



広すぎる家でぽつりと



一つ年をとれた私は この幸いを胸に



皆を見送ろう





自由詩 冬のおもさ 〜改訂〜 Copyright ポー 2011-01-16 22:30:38
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