寒い夜の即興
橘あまね


風がつんざいて
熱量をうつして
新しい季節がやってくる
しがみつく指を
切り落としながら

方角をなくして
こごえる鳥
さみしがりの
喉いっぱいに悼む
星をめざして進む歌が

夜半
成長する刃の
しろい切っ先に
裁かれている



自由詩 寒い夜の即興 Copyright 橘あまね 2011-01-16 19:59:45
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