錯乱
ヒヤシンス

満たされない心は本能に支配される。
理性など知ったことか。
一体何の為に苦しむのだ。
別れた子供の為、迷惑ばかりかけている両親の為、同棲中の女の為、しばらく会っていない友人の為、積もった借金の為、聖なる自然に淫らな穴をあけようともがいている為。
死ぬ為の大義もなく、たらたらと生き長らえているためか。
食欲、性欲、睡眠欲。湧かない食欲の為、煙草ばかり吸い、湧かない睡眠欲のため効かない睡眠薬を貪り悶々として、そこらへんを歩いている女を無理やり部屋に連れ込み、思うがままに殴りつけた後、その半開きの口にしなだれたペニスを押し込む。少しずつ勃起してゆくペニスを女のさほど濡れていない穴に擦り付け、肉襞をかきわけながら子宮の奥まで突き刺す。泣きながら喘ぎ始める女に哀れさを感じ、穴が裂けそうになるほどペニスを出し入れする。
本能に従うとなぜか虚しさを覚える。
女の子宮の奥に思い切り射精し、ペニスを抜き、女を蹴りながら部屋から追い出す。
虚しくて虚しくてたまらない。
性欲など…。
頭が割れる。胸が苦しい。
薬を飲む。
生きる価値を見いださなくては、虚無感に支配され…、その後はどうなるかわからない。
俺が滅亡するが早いか、世界が滅亡するが早いか。
またくだらない思想にとり憑かれてしまった。
こんなもの詩ではない。
ゆっくり眠りたい。


自由詩 錯乱 Copyright ヒヤシンス 2011-01-13 15:04:08
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