霧笛
橘祐介
静かに、静かに耳をすますと
身体の奥から霧笛が聞こえる
いったいどこから聞こえてくるのか
僕はどこにいるんだ
朝の通勤電車に今日も乗り込む
見慣れた顔が椅子に並ぶ
少し曇った空の下
いつものように電車は走る
まるで見えない霧の向こうから
霧笛が聞こえる
ボー、ボー、ボー
前が見えない、後ろも見えない
ボー、ボー、ボー
いったいどこに行けばいいんだ
自由詩
霧笛
Copyright
橘祐介
2011-01-13 00:12:44
縦