ID
霜天

森の中で月を見て
青さ静かに、目に染みていく
あるかないかのカーブを
そろり、ふわり、降りていく
静かに、選ぶ言葉に僕の
音はどこかで回り続けているか


泳いでいるのは、あなた
それを確かめるということを
繰り返す中で確認している
きっと、そっと、振り返ること
約束のような言葉を発しては
少しずつ透明に戻っていく


ちょっとだけ
今夜はちょっとだけ月夜なので
頭上でも足元でもあちらこちらで
あるかないかのカーブを見せながら
道が僕等から逃げていきます
道が僕等から逃げていきます
思えば、思うほどに、遠くへと
僕等は際限なく迷ってしまうから
僕の音は
ここに、ここで
どん、どん、どんと
回り続けていることを
確認することを
いつからか僕等は知っている
僕はここに
僕はここで
あなたを呼ぶと
振り返る、きっと
ほんの少しの
それだけを、知っている
いつからか


呼びかけて、呼び返す、証明する、月夜の
僕はここに、僕はここで
確かめる
いつからか


自由詩 ID Copyright 霜天 2004-10-30 02:21:06
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