きみの空
Giton
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胸にはきみの大きさの空
心に果てしない岩石の荒野
手に一把のドライフラワー
携え埃だらけで歩いている
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古びてカーキ色に日焼けした風景画の人物
天地玄黄そらどす黒く地はいつも黄色な砂嵐
地の人の建物の黄色に眼が馴れてしまったから
薄墨に蒼墨で描き込まれた遠景だけが鮮やかだ
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天山の頂耀かず流沙の流れは涸れたまま
白昼の夢遊から目覚めてみれば俺が歩いている
のはいつもの灰色の街で交通信号が鈍い色彩
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を投げかけているこの胸にはきみの大きさの空
心に果てしない岩石の荒野手に一把のドライ
フラワー携え埃だらけで歩いている俺
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