都市の中心
英水

この都市の、上空100m 
本当の本当に 都市のど真ん中にて 
風に乗って舞い上がり
そこに留まっている羽毛
 が、もしあるとするならば

僕はこの都市が好きになる
本当の本当に ど真ん中ならば。

都市 ±0からおよそ+2m
 人々が行き交い、
 一人一人が風をひきつれている まるで、ペットみたいに
都市 かき混ぜられすぎて、嵐にならないのだろうか

ひょっとしていつも心配そうな君は
そのことを悩んでいるのか?

羽毛の直下 マイナス98.4m
君がこの都市のど真ん中を通り過ぎるとき
+98.4m 上空で佇む羽毛にくくりつけて
真っ青な空を、君に上げよう

四角くビルに切り取られ、
ジャンボジェットが浮かぶ二つの相似形の空が
君の目に浮かぶ。


自由詩 都市の中心 Copyright 英水 2004-10-29 21:59:41
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