数学のみが自然の営みなのか
乱太郎

「実数」最大公約数でも最小公倍数でも共通
    項は言葉ひとつ。そして、僕らは無
    限大の幻想に迷い込み、実態の無い
    虚の世界で戯れる。愛を確かめ合お
    うと指折り数えたところで、自然数
    のように単純に四則演算出来ない。
    インド人がゼロを発明したのは、や
    はり偉大だった。僕らはいつもゼロ
    から始まる。


「幾何」平行線の定理は証明されなかった。
    なのに、僕らは平行線のままだ。
     一点の疑心暗鬼が、二人を惑わし
    築き上げた系を崩壊させる。論理
    はいつだって矛盾を孕んでいた。


「集合」僕の要素と君の要素で交わる部分
    は、きっと誰にもわからない。自
    分達でさえ本当は分からない。何
     処に魅かれて、何処が好まれたの
     か。ただ、ひたすら交じりあう。
     存在証明もいらない。神が宇宙を
     創造したように。


     *


属性  格子状の日常が、さいころのよう
そして に毎日転がって、少ない選択肢に
転移  一喜一憂している。結局は予定さ
     れた平凡に収束されているのだが。
     それでも君は積分を信じ、有理根
     を求め続けている。白地の紙がど
     れほど無駄になったというのだろ
     う。薔薇の花はいつか萎れる。数
     式以前の自明のこと。未来は黄金
     律なんて、僕は信じていない。魔
      法陣で変われるものならとにかく。


    *

Fn=2・(2n+1) (n≧0)
     
     解けそうで解けない
     僕の苦しみは君には解るかい




自由詩 数学のみが自然の営みなのか Copyright 乱太郎 2011-01-06 18:33:37
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