白い骨
森の猫

二十数年ぶりに見た
人の骨は

白く
しっかりとしていた

ついさっきまで
人として
形をなしていたものが

手術台の半分くらいの
てらてらした 
金属板の上にある

寿命のままに逝いた人

その骨を
長い長い箸で
親族達が
骨壷に納める

最後に残った
大きな頭蓋骨は
素手で
ひとつ
ひとつ

厳粛だ
ちっとも
悲しくない
綺麗とさえおもえる

白い 白い


あたしも
いずれ
骨になる

どうせなら
粉々の灰になりたい

拾えないほどの
灰に

そうしたら
森にまいて
ください

自然に帰してください
帰してください

どうか・・・


自由詩 白い骨 Copyright 森の猫 2011-01-04 04:50:38
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