回帰する光のブレーキ
ayano




左手の薬指が赤く腫れたのは
とても気がかりだった。


ひろい花畑でパズル
800ピースと空の絵柄
ドアは部屋に続く穴であり
隠れ家であり逃げ道であり
泣き場だった気もします。
おきにいり私だけの難解、


いま近くにいるのは
知らない動物で
振り返ると私が生まれた
つまり
6歳という強い装備


両親

ともだち になってはいけない
理由は教えてくれなかった
友達がいないから


配慮をプレゼントします
そうやって車に轢かれた
パパとママをあいしてる
気味悪く微笑んでねむる
くねる――
―んだけど未だ動く
花畑にいれば背中越しに
感じるでしょう、何も



パズルをしていた体が
とつぜん宙に舞う 浮いた
視界がひろくなった気のせい
身長がたかくなった気持ち。
そしたら向こうも花畑だった
向こうでも私と両親がいた
振り向いた先も同じだった
こわくなって
下を見たらスカートの中が
見えて、
花柄だったかもしれない
はずかしくて泣きたくなった
上を向いたら丸と四角がひとつ
線が二本あった 星もいくつか


足が地について
戦争だったとふと思った
乱れた姿を反対の自分をみて
なおす 繕う 取りまとめる
花もついでに纏う
かわいいひと

うしろだけが、
いつも見えなくて悲しい
蜂に刺された指も向こうじゃ
逆になって


どこを見てもひとりではない
安堵した がった
がたがたが
違う姿は入らない
友達はわたし

 パパの紫くちびるにキスを
 ママのふわふわの髪を撫で


わたしも くねる








自由詩 回帰する光のブレーキ Copyright ayano 2011-01-04 01:28:42
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