指先
たもつ

 
 
一番星、と空を指差したきみ
その方向を見て
ほんとうだ、と言ったぼく

でもね、あれは嘘だったんだ
見つけられなかったんだよ
だって眼鏡の度が進んでいて
きみの指先を探すだけで精一杯だったし
そして何よりもまだ
真昼だったんだもの
 
今度は見つけるから
眼鏡も新しいものに変えて
きちんと見つけるから
指先だけではなく
きみのすべても
探し出すから
 
 


自由詩 指先 Copyright たもつ 2011-01-03 19:39:06
notebook Home 戻る