悪いひと
恋月 ぴの

幼いこどもが悪い言葉ほど直ぐに覚えてしまうように
ちょっと悪ぶってチャラい言葉なんか使ってみる

私に似合わないのはわかってはいるよ
でもね、今年のクリスマスも思い出となるよなサプライズはなかったし

ふと目覚めても隣に見知らぬ誰かさんとか寝てなかった

売れ残ったクリスマスケーキってどこへ行ってしまうのだろう
叶わなかった願いと一緒にごみ箱へポイされて
クリスマス過ぎても枕元の靴下は空のまま

両手でぱたぱた扇いだって糸くずぐらいしか出てこない

むかしさぁ、母によく叩かれたけど
母の叩いたのは私のお尻だけだったのかな

壊れかけた夢とか希望そして家族ってやつを自らに繋ぎ止めようとして
小生意気言ってきかない私を叩いてしまったのかも

今頃になってやっと判ってきたような気がして

野良猫さんは甘いもの食べるのかな?

路地裏のごみ箱に得意の猫パンチくらわせ
ひっくり返ったごみ箱の中身

あらら、あのクリスマスケーキの跡形なんかどこにもない

天国へでも召されてしまったのかな

そして叶わなかった私の願い
フワリフワリと宙に舞い野良の鼻先くすぐった





自由詩 悪いひと Copyright 恋月 ぴの 2010-12-27 20:11:35
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