ダイアモンドチャック WHOレッドデータ編
ハイドパーク
一撃で嬢はマットに沈んだ
「き君、大丈夫か。」
「しゃ社長、た助けてください。」
「よっしゃぁー、と言いたいけど。
一つ聞かせて欲しい。」
じじいよ
ゴジャゴジャ言わず
早く助けろ
すべておのれの
変態娘のせいやぞ
「君、娘と結婚せえや。」
俺の中の全細胞が
このオファーを拒絶していた
聞いたとたん
10000個ぐらい
アポトーシスがおきた
社長は俺の顔色を伺い
不機嫌そうに
「なんや、お前も嫌なんか?
ほな、皆と一緒、海に沈んでもらう。
コンクリはいつでも練ったあるんや。
こんな話、表に出されへん。」
ヘドロの海の底
餌食になった
諸先輩方と一緒に
新種のサンゴになって
揺れているヴィジョンを視た
何年か経ったら
絶滅危惧種として
さかな君が
見つけてくれるだろうか
いやや いやや
死にとうない
「結婚します。するから早く助けて。」
俺は前者を選択した
「そうか、そうか、賢い奴っちゃな。
今からお前はわしの息子や。
待っとれ、今助けたる。こうか?」
ブッチィィィィィィ
社長はチャックをつまむと
一気にずり下ろした
ビッチャァァァァー
やな感じのスプラッター音
スローダウン社長
人生を急ぎ過ぎてる
麻酔的な処置は?
力任せなんて
それはそれで
ワーストチョイスだぜ
ほら
チャックに肉片付いてるし
それにあそこ
まるで頭を潰された蛇
マザーグース風に言えば
ブラディキャロット
ウサギさんかじる
俺の脳髄は
すみやかに
気絶を示唆した
ドSお嬢様と結婚した俺
義父の会社の重役になった
一応トラウマとして
チャック付きズボンがはけずに
ジャージ姿で出勤していた
驚いたことにガッキーは
普段はまったく貞淑で
品の良いセレブ妻であった
スターで言えば
後藤田 真紀ぐらい(旧姓 水野)
あっそっか
本当はお嬢様
ガッキーじゃなくて
ゴマキだったんだね
俺わかんなかったよ
ただ
生理前後の数日間
彼女の荒ぶる魂
どんな慶応ボーイにも
止められないほど
とてもエグかった
俺はそんな時
義父の用意した
シェルターに
避難するのが常だ
今日もそんな一日
テレビを見てると
電話が鳴った
秘書課の男
「社長が他界されました。」
ななんと
「つきましては、臨時取締役会を招集します。
シェルターの前にレクサスを止めてますので、
ただちに乗車してください。」
ママ ママ
ママの自慢の息子は
ついについに
天下を取るよ
スキップしながら
シェルターを出て
車に乗り込んだ
バッシュゥゥウウ
電撃が走った
運転手の手にはスタンガン
うつろな目で見上げると
ゴマキが笑っていた
「さぁ、チャックマン、プレイ再開や。」
完