志村けんのかほり
花形新次

白鳥の首が股間から突き出た
志村けんほど
清しいものはない
はじめて出会ったのは35年前です
ためらいがちに
荒井注の代わりに
加入した途端
あっという間に
人気者になり
加藤茶が
いつの間にか
二番手になりました

年端もいかない子供たち相手に
下品なギャグで笑いを取っていく
  いっちょめ いっちょめ ワーオ
  いっちょめ いっちょめ ワーオ
つまらないなんて今だから言えるのです
それは自己欺瞞に他ならないのです
「あのとき確かに
志村けんが好きだった」
そう言い切ることを
僕はどうして惜しむだろう


自由詩 志村けんのかほり Copyright 花形新次 2010-12-23 16:32:13
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
パロディ詩