金色のほっぺた
アズアミ
きみのほっぺたに夕日がとけた
となりの窓からおすそわけ
あたたかいと雄弁に語りだすから
そっと人差し指をおしあてた
手をのばしたら
えりあしに飛びうつって
きらっと弾けて消えた
ケータイのカメラを取り出せば良かったのに
思えばいつも幸せはごはん粒のように
カピカピになりながら肘の裏にくっついていた
自分じゃよく見えなくて
誰かに見つけてもらってた
ひとあし遅れて
きみはじぶんのほっぺたに手をやって
さいきん太ったかも、と言った
それは幸せが詰まっているからだよとは言わずに
いつもどおり愛想笑いをふりまいた