糸くず
アラガイs


木枯らしが吹けば、路肩にはぽつぽつとシロツメクサ
編んで、、首飾りをポチにつけた
むかし
公園の片隅には、暖色毛糸の手袋をした(道草)、という足のわるい少女がいて
手にしたほつれ毛の糸
僕は少し気にしながらも、脇を通りすぎていた 。
いつの頃からか、姿も消え、僕が学生服を破り捨てたその日
公園には、 赤や黄色のチューリップが咲いていて
見上げると、何故か眩しくて、青空には、白い雲が、急ぎ足で駆け抜けて
僕のなかで少女はもう消えていた

拭いきれない記憶がある
縺れ合う毛玉の糸
枯れ葉は路肩に溜まり
首輪を持つ手袋を舐めると、犬はうれしそうな顔をして、わたしを離れて飛び出していった
路肩の雑草を眺めれば、遠い空に早春が甦る
いまではなつかしい
過去の 思い出 。









自由詩 糸くず Copyright アラガイs 2010-12-20 02:51:55
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