ほんとの土
砂木

向こうの外にある空から
根を切られて絶えた花達が
小川のように 流れてくる

一本ずつだった者が
根を捜して彷徨って流れ歩く

土を忘れるように
水を与えられ
雨の届かない屋根の下
失った

こくりと頷くように
夕陽が海を渡る
波に沈んでいく赤いカーテンに

指をかけて 残りの
夜 から 逃れ去る




自由詩 ほんとの土 Copyright 砂木 2010-12-19 23:47:52
notebook Home 戻る