ぽっかりと
……とある蛙

空に浮かんだ白い雲も
涙を抱えて浮かんでいるのですが
独りぽっちの時はじっとこらえて雲のまま
みんなが泣き出すまでは っと
涙を抱えて ぽっかりと

空を飛び回る鳥たちは
空を見ながら飛んでるのではなく
下を見ながら飛んでいるのですが
風に流され鷹が来ないことを確かめながら
みんながそろって降りるまで
自分の降り立つ場所を探しているのです。

空に飛んで行く風船は
自由になれたと上昇しているのですが
あまりの高さに脅えだし
膨れた希望が萎(ちぢ)みだし
みんなそろって風に吹かれ
どんどんどんどん流されて行くのです。
自由なはずが流されて行くのです。

どんどんどんどん流されて行くのです。


自由詩 ぽっかりと Copyright ……とある蛙 2010-12-19 22:34:42
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