夜風に吹かれて
一 二
夜の風
木々の呻き
冷たい切り裂き
胸に闇が染み渡る
夜の風
虚無の軋み
忘れたはずの記憶
漠然とした不安
夜の風
光を灯せど
自ら声を上げようと
暗闇の顎は開いたまま
夜の風
人は自然を征せど
自然は人を征せず
ただ虚ろに在るがままに
夜の風
人無き跡も通り過ぎ
いつまでも響き渡る
ただ虚ろに在るがままに
夜の風
在るがままの影
我等の魂の影
ただ虚ろに在るがままに
ただ虚ろに在るがままに
存在の風
虚無は虚ろに在るがままに
自由詩
夜風に吹かれて
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一 二
2010-12-17 14:13:34