米びつの中のいのち
kawauso

ぼろぼろとまとまった消しゴムのかす
米びつの中で生まれた虫のようだ

彼は米びつの中で生まれた
積雪6センチほどの米の中に
何を間違えたのか産み落とされ
目が覚めると目がくらむような白、白
透けるような翅も天井まで

どこへいくこともなく
私に見つかりつままれて
彼はその一生を終える

米でスキーをするために
生まれた命ではないはずなのに

何かを消して生まれた消しかすを
今日も机の下にこぼす


自由詩 米びつの中のいのち Copyright kawauso 2010-12-17 13:49:13
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