ダイアモンドチャック 母恋編
ハイドパーク

ええらいこっちゃ
だけど
動揺はしてらんない
そんなのパンピーに任せとけ
なんたって俺は
エリートなんだもんね

THINK
そう
良く考えるんだ
今回の事件の責任の所在
俺がチャックを開けていた
原因

暗いリビドーがふつふつと
ある方向を示し始めた
そうだよママだ
ママの躾が足りなかったんだ
タリルラーン
タリラリラーン

俺は激怒に指を震わせ
荒々しく携帯を操り
真夜中にもかかわらず
ママに電話をした

俺「馬鹿、ママの馬鹿、どうしてくれるの。」
母「え、え、どうしたの。」
俺「みんなママがいけないんじゃないか。
 ママがチャック閉める習慣、着けてくれてないから、
 僕、すごい恥かいたんだよ。」
母「え、え、何、何、ごごめん・ごめん・」
俺「ダメダメダメ今度こそ、絶対に許さない。
 僕がどれだけ苦労して、ここまで登りつめて来たか、
 いったいぜんたい判ってんの?」
母「おお、ごめん、ごめんよ、坊や。ううううう。」
俺「何でこんな簡単なこと、教えることが出来ない。
  それでも本当に僕の母親ですって言うつもりなの。」
母「ごめんなさい、ごめんなさい坊や。みんなママが、
 ママが悪かったの。どうしたら、どうしたらいいのか、
 言って頂戴、ううううう。」
俺「アホか、今頃謝っても、もう遅いんだよ。
  土地でも売って、金作っとけや。ボケ。」

携帯をブチ切っても
怒りと憎しみで
まだハアハアしていた
ママの野郎
ママの野郎
今度会ったら
ただじゃおかねぇ

しかしちょっと待てよ
ママは2年前死んだはずでは
じゃ今のは誰だ?
まあ責任の所在が
明らかになったことは
とても良かった

さあ次は令嬢の件だが
なぜラブホに俺を呼んだのか?
そんなにも
俺が欲しいのだろうか
気持ちは判らんでもないが・・・

なんにせよ
ここはお嬢の言うとおり
HOTEL ファインに
行って見る一手だろう


続く


自由詩 ダイアモンドチャック 母恋編 Copyright ハイドパーク 2010-12-16 18:31:09
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