ダイアモンド チャック
ハイドパーク

会社の同期で
ずば抜けた存在の俺
ガンダムで言えば
シャア大佐だ
仕事の質、量、スピード
何をとっても超一流

しかしこの俺を
俺たらしめるものは
そんな手羽先の
テクニックにあらず
野心
そう野心こそが
俺を導く

ある日上司と
A級得意先の社長を
料亭で接待してると
社長はいきなり
「君に逢わせたいもんがおるんや。」
柏手を打った
「はいお父様。」
クールビューティー
ガッキーみたい
「どや、わし部長と、ちょっと用あるから、
これで行くけど、君ら2人で遊んどけや。
そうやな部長。」
上司はハイハイって
手もみしながら
社長の後をついて行った

スーパーチャンス
ついに確変が来た
この女をものにして
ヴィクトリーロード
駆け登ったる

俺は常日頃の
シュミレート通り
完璧な挨拶を交わし
適切なネタを繰り出した
この手の女はアートで
攻めるに限る
「僕、ラファエロ前派好きだけど。君はどうかな?
君って水の精ウンディネみたいだね。」

自分でもよう解からんけど
よう舌が回った
まあこんなもんやろ

恥ずかしいのか
令嬢ガッキーは
ずっとうつむいていたが
顔を上げると
すでに紅潮していた

勝った
あっけないもんや
この女もろたで

その日はあえて
大切にしてる感をだすために
何もせずタクシー乗せ
丁重に見送った

別れ際に令嬢ガッキー
「ゆったりしたシャツを着ていらっしゃるのね。」
俺の服装センスに首っ丈の様子だ
「シャツも僕も大人の余裕がテーマなのさ。」
って答えたら
彼女顔面真っ赤になってた
さよならハニー
今度また

一時間もしないうちに
早速メールが来た
完全に俺に惚れたね
ちょろいもんや


チャック全開のチャックマンよ
今夜は久しぶりに
笑わしてもろた 
菱形に開いたチャックから
白いシャツが飛び出してたで
お前は白やぎさんか
ボケてるから気付かんのやな
お父様は身だしなみに
超うるさいで
こんなんが一番嫌いなんや
もしかしたら取引なくなるで
どないするつもり矢?
まあ
黙っといてやってもええで
穏便に取り計らって
星㊞やったら
明日PM10:00
HOTEL ファインに
一人で恋 ボケ

うつむくと確かに
白やぎさんからの
お手紙が届いていた
オーマイチャ〜ック
えらいこっちゃ

続く


自由詩 ダイアモンド チャック Copyright ハイドパーク 2010-12-14 17:44:40
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