脱走
吉岡ペペロ



中二のころ収容所から脱走した

それを手引きする職員たちがいた

彼らは所内の精神科医と組んでいて

じぶんたちの理想を僕を使って実現しようとしていた?

理想といっても収容所に限る世界

ボーリングの球の搬入日だった

僕はトラックを奪ってそとに出た

警備員をひいたとき

彼のくわえ煙草がスローで飛んだ

紙だけで学習した範囲を運転は超えなかった

気味がわるいほどだれも追ってこなかった

収容所のなかよりも死のイメージが濃くなった

どこにいても大切にはされなかった

風景に異質の火の帯が現れて爆発した

たまたまそこに居合わせた感じがした

僕はクラクションを押しっぱなしにして

舌をだらんとだしはじめてじぶんを大切にしようと思った


携帯写真+詩 脱走 Copyright 吉岡ペペロ 2010-12-12 14:13:01
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