冬のサボテン
アラガイs


東の空はまだ蒼く
冷たい鼻先に白い息がかかる
ゆっくりと明けながら
低気圧は姿をかえ
霞む、冬の朝は、ふたりの渇いた喉をきらしてゆく

/傷んだ髪の刺を擦るように / /
いま、きみを壊したくはない /
枕元には/まだあたたかな絆が残っているから
息を殺し、寝息にそっと、くちづける

井戸瑞は枯れ
待ち続けながらも
咲く花は咲き
夢はいつか失うもの
熱い紅茶が冷めないように
このまま友達でいればいいと…

薄明に始発電車は少し照れくさい
コートの背中を丸めながら
見送る小鳥たちの囀り
白い息を吐きすてて、朝刊のバイクが路地を駆け抜けた
ふと 何かが弾けたような気がして
僕は まだ眠る街のなかを
住み馴れた僕の日常へと帰ってゆく








自由詩 冬のサボテン Copyright アラガイs 2010-12-12 07:21:19
notebook Home 戻る