ポケット
nick

ケンタッキーが美味しい季節
ツイスター一口わけてくれたけど
なぜだか恥ずかしく申し訳なく
皮だけかじってすぐ返す


私はあなたの外側から
目をこすりながら探してる
どこからどこまでが恋で
いつからいつまでが夢なのか


ここらで冷たい風が吹いて
体ごと貫かれればいいのに

突然町が停電して
辺りが闇に包まれればいいのに

すべての電車が止まっちゃって
家に帰れなくなればいいのに

立っていられなくなっちゃって
あなたに向かって倒れたいのに


広場で少女がギターを弾いて
病んだ私たちを歌っている
この静かさと気まずさを全部
あの子のせいにして帰る


ケンタッキーが美味しい季節
ほんとはもっと食べたかったな


自由詩 ポケット Copyright nick 2010-12-12 01:05:35
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