理想の味噌漬け
亜久津歩


月火水木金土日という文字盤を廻る生活
気にし始めるとろくなことがない
肺に空気は足りてるかとか
舌の位置とか
コーヒーマグの螺旋階段をくだりながら
溶けてゆく乳成分についてとか
おいしく飲み干して
ご馳走さま を声にする

血ではなく 知でもなく
地に葦を着けるのです
旋毛のアンテナには
靴下をかぶせてしまおう
思春期はそれで終わる

「わたしは一回しにました」
「閉じてもいないものは開けません」
すっとんきょうな居直りで
ひょうひょうと
暮らします



自由詩 理想の味噌漬け Copyright 亜久津歩 2010-12-07 18:01:25
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