光源
木立 悟








空の端がひらき
地を歩む
ひかり負う背
河の痕をゆく


夕闇の路
無人の車が
はじまりをうたう
ひとりを乗せる


原の
つづく原の
根はまたたく
流れ こすれ
流れ まわる


生きるものが触れ
否は立ちどまる
すぎるものの虚を
聴いている


多くの腔を
風はまさぐる
じらすように 流れずに
熱を空へ いざなう水


粉が尾を造り
川を冷やす
まだらになびくまだら
見つめあう不可思議


水をたくわえ
ふくらむ頬に
羽そえる羽
空つつむ日々


まるく尖る鼓動
一枚を五枚にする音
雨のなかの矢
降る軌跡の
ひとつひとつを指さしてゆく


































自由詩 光源 Copyright 木立 悟 2010-12-06 20:30:01
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