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流沙
の流れの畔
にて路と路とが出会う
壘壘
たる碌碌たる峨峨たる崟崟
たる
地の波浪が固結したような岩頚の列なりと
地平にまで広がる荊蕀の原に
細々と続く踏み痕をいつ途切れるとも
知れない微
かないにしえ人の痕跡を
一心になぞって来た二つの往来がここに出会い
又別れて行く流沙の畔
:
九十年前二人の旅人の邂逅によって
あの雁の童子の伝説は世に伝えられた
のでしたその乢
にいま荷物を下ろすあなたは
はじめ童子のように見えたが親しげに
近づいて来たあなたは長身の若者
あなたの希望の魂がその姿を
幼く見せていたのだ蒼
に雲の切れ端
も無いこんな日だからわたくしは
あなたと出会うことができあなたと
わたくしの時間の線分がちょうどこの乢で
奇しくも交わることとなったのでしょうか
(日は上がって小鳥たちはかまびすしいくらいだ)
(笹の斜面をよろよろと駆け下りて行く幼い鹿の群れ)
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