今もある風景
番田 


自分を感じた
夜のどこかに 人間を見た
人間に失望させられた
朝の来ない 夜のどこかで


携帯電話を ひとり いじっていた
ツイッターに並んだ文字
有名人はまだ中で会話させられていた
じっと 窓の彼方を 私は探していた


真冬のきらびやかだった
人の見あたらない喫茶店のテーブルで
あの日 私は中年の男と面接していた
高いコーヒーを 見つめ続けていた


枯葉の取り払われた 寒々とした 浜松町
あの夜を私は静かに歩いていたのだ
タクシーの飛び交っていく
首都高速の真下の空を


自由詩 今もある風景 Copyright 番田  2010-12-04 03:08:59
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