別離
ナカツカユウリ

蜂蜜色に染まった
窓を失った私に
クリスマスの
オーナメントの一つ一つが
あかんべをしている
。。。気がしている

街で流れる
ジングルベルの
ハーモニーは
楽しげで
獰猛な捨て犬が
手を叩いている

ジングルベルの
ハーモニーを
歌って踊っていたとき
ツリーは
中くらいだったけれど
本当は
天井まであるものが
欲しかった
そんな私の
今 横で
冬でも可憐に白い花をつけた
娘によく似た
花が
飾り付けのお手伝いを
している

私は
獰猛な犬に噛まれた傷に
薬をつけることを
医者に禁じられて
困り果てて
口を開けている

クリスマスが傷にしみる
蜂蜜色に染まった窓は
ぐしゃぐしゃに割れて
その横で
捨て犬が
煙草をふかしている



自由詩 別離 Copyright ナカツカユウリ 2010-12-03 14:06:43
notebook Home 戻る  過去 未来