池袋無印向かいのスターバックスから
番田 

今日はとてつもない雨ふりだった
子供の声もしていて
いつかの自分もそうだったものだと はにかんで
ネットオークションの掘り出し物を 探していた
私がこの部屋を出て行くとき
私が思うことは一体何なのだろう
インターネットラジオを 聞きながら
そんなことを考えさせられている



オークファンというサイトで
価格を調べながら落札価格を想像し
飽きてCDなどを探していた
ツタヤもいつ消えるかもわからない状況だ
そんなことはどうでもいいけれど
私は ドクターペッパーを買うために
冬の風が吹き始めた道をさまよい歩く
最近友人との飲み会になんとなく参加すると
金を持っているやつはかなり持っていたりしていた
しかしその金に意味はあるのかと言われると
彼のついている仕事からすれば少し疑問だ
彼は 仕事を続けていたに過ぎなかった
だけど 金は彼の元に貯まっていた
私は 何も望みはしないだろう
金なんて金額じゃないさと 石を放り投げる
君自身の満足度を私に教えて欲しい
彼らのCDに出会った頃はまだ学生で
中学生の私も同じ涙を流していたものだ


5年前に買ったビートルズのレットイットビーが
今では300円ほどの値段で 売買されているのである
邦楽の作品などはすでにおおよその価格すら つかない状況だ
3000円だったものが100円になってしまっていたりする
性格の良くない友達と ぼんやりバンドなどをやろうとしていた
日本人だと駄目になってしまうという結論は かなりの偏見だったけれど
最近は米国の大手レンタルチェーンが 今年半ばに破綻したりしてもいる
スマッシングパンプキンズの激奏する 寂しいコードのメロディーが聞こえる
金が足りているうちに買わなければならないCDがあったけれど
うすぼんやりと 知らない家の軒先の窓から流れ出ていた



日本人同士で 編成を組もうとすると めちゃくちゃになるから
コーラスグループが皆無であるのも 同じ理由からかもしれない
バンド自体がひとつの意識に向かうことは難しい
無印良品でプラスチックの容器を手にしながら歩く
リーダーが統制するのはたぶん バンド自体の姿ではない


合唱団というよりも 合唱組織的な集まりだった
これはセール品だけど なくならないもの
色々なデザインなどを手のひらで吟味しながらレジに並ぶ
セール品で なくなると 予想されるもの


ポチャリと小石が川で音を立てる
足りないものなど 私は なかったけれど



池袋店の 売れ筋である生活雑貨コーナーを巡っていると
カーテンの寸法がわからなくなって 私は 頭をかかえている
近所の家具屋の 煩雑さに 思いを寄せさせられて
良心的な気遣いに吐き気を覚えさせられている



自由詩 池袋無印向かいのスターバックスから Copyright 番田  2010-12-01 03:34:51
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