淋しい人
たもつ


とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
その後姿はもう掌より小さかった
その夜僕は一人きりで
淋しい詩を書いて寝た
とても淋しくない夢を見ていたはずなのに
自分の泣き声で目が覚めてしまった





自由詩 淋しい人 Copyright たもつ 2004-10-26 18:56:16
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