ともだち
朧月
美談にしたいテレビの
当て外れてあまりにも
ありきたりな障害者の日常
からから笑う全盲の友
平気で私の弱点つく
あんたほんとに弱者なの?
お前よりは強いかもねと
いう君のとても大きな声
バリヤフリーはまああったほうがいいねと
季節感のない半そでで
外の明るさきいてくる君
そうねそろそろ薄暗いね
ないものねだりって言葉を年月
かけてあきらめてきたと
いう君のかたわらに座るとき
わざとギイギイ音させる私
だいじょうぶや
君の声のわざとらしい大きさが
いつも私を救ってくれるよ
そんなこと今さら言わないけど