ともだち
朧月

美談にしたいテレビの
当て外れてあまりにも
ありきたりな障害者の日常
からから笑う全盲の友

平気で私の弱点つく
あんたほんとに弱者なの?
お前よりは強いかもねと
いう君のとても大きな声

バリヤフリーはまああったほうがいいねと
季節感のない半そでで
外の明るさきいてくる君
そうねそろそろ薄暗いね

ないものねだりって言葉を年月
かけてあきらめてきたと
いう君のかたわらに座るとき
わざとギイギイ音させる私

だいじょうぶや
君の声のわざとらしい大きさが
いつも私を救ってくれるよ
そんなこと今さら言わないけど



自由詩 ともだち Copyright 朧月 2010-11-30 16:01:21
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