ヒースロー空港の乗り継ぎで
番田 


今日もタクシーに乗りながら夜の寂しい通りを流れていく時
私の側にはステキな女性がたたずんでいた様な気がする
そんなものは ただの寂しい願いのようなものだったけれど
ガラス越しの星だけが ぼんやりと 輝いているわけだ
今日も私は一体何をしたのかすら知れない


いつも数え切れないほどの失敗を繰り返してきたんだ
人間というヤツは 信用すると 危ない目に合わされる
シティバンクの銀行口座から 金を引き出して
こんな金に 目をくらませていたのはいつのことだったろうと思った


アメリカの台頭した世界はもうすでに終わりを告げようとしている
しかし俺は アメリカの未来は 揺るぎないものだと信じている
私は競争社会の中で勝ち残っていく自信など無いけれど
私は この国の女性たちを愛しているのだ
今日も名も知れない街角のストリップショーに足を踏み入れる


あの頃は証券取引に失敗していたものだ
帰り道に知らない名前の島に私は立ち寄った
色々な種類の鳥の鳴き声を聴いていると また 詩を書きたくなる
薄黄緑色の支配する 暗黒の密林の世界の中にいた



バミューダトライアングルの中で 目にしたものは
いったい何だったのだろうと 今日も私は考えている
ストリップのような格好で はしゃいでいる 金髪の娘たちの姿を見た
ロサンゼルスのブルースカイビーチホテルの カウンターで
聴き慣れない黒人音楽を耳にしながらピーナッツを食べた




自由詩 ヒースロー空港の乗り継ぎで Copyright 番田  2010-11-30 03:41:47
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