夜や夜
木立 悟







夜や夜ひとつがひとつをすり抜ける



轢かれては蹴られては筆たけりけり



記憶しかないというなら冬を喰え



おのれから去る笑みこそがおのれなり



波と星はざまの銀に生は無く



血を舐めて冬は冬にこそ還りけり



夜の背に蒼と灰の風うちよせる



夜や夜ささやかぬものささやきぬ

























俳句 夜や夜 Copyright 木立 悟 2010-11-29 22:03:19
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