ソーダ水
たもつ

 
 
夕暮れの校庭で
少年が一人
逆上がりの練習をしている
息はすでに上がり
手のマメは破れているけれど
何度も地面を蹴り続けている
成功したところで
得られるものも
失うものも
わずかばかりだというのに
世界は沈黙したまま
気泡に包まれた少年を
見守っている
 
 


自由詩 ソーダ水 Copyright たもつ 2010-11-29 20:46:18
notebook Home 戻る