午後の辺
木立 悟







水の上の
白と黒の火
水に映らず
流れてゆく


森の奥を
森が動く
双つに分かれ
遠去かる


枝が描く枝
重なりのむこう
途切れた道のむこうに
無い森がつづく


水をすくったままの手のひら
ずっと空の頂にある
曇が
静かに鳴っている


風 声 鉱
揺れている
見えないものが
揺れている


ふちどりのまたふちどりが降り
手のひらは水をこぼさぬまま
踏切の上の
空を染める























自由詩 午後の辺 Copyright 木立 悟 2010-11-29 17:01:30
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