中二の秋
吉岡ペペロ
あさいちのJRに乗っている
コートの大人たちでふつうに混んでいる
ぼくは中二の秋くらいの気持ちになっていた
電車のなかにいると引きこもってしまうのだ
みんなが立派そうに見える
みんなが上等そうに見える
人間的にも社会的にも・・・・
コートの大人たちはたぶん
ぼくより金持ちではないだろう
ぼくよりいい加減で仕事もできなかったりするだろう
それでもぼくは気圧されていた
小学生のころめざめた共産主義をおもいだす
ぼくはいつもうしろめたかった
ぼくばかりが何事にも秀でているのがおかしいと思っていた
そういった現実は数年後すがたを消した
そういった現実は数年後すがたを消したのに・・・・
ふとしたときまわりの人たちに
ぼくは申し訳なさを抱いて気圧されてしまう
そしてそんなときのぼくはいつも中二の秋だ