12月のマンホールのつぶやき
番田 

生きてもいないこの世界に
君は 何を思うのか
私は 何も思うことなどできない
ああ君であることのそのほかには


そこで 私は タクシーの窓を開け放ち
ニューヨーク全体の風を受けていた
俺には有り余るほどの所持金がある
けれど 君にとっての無駄金なのだ


今日も私が 一遍の詩を書き込むことに似た
それは 不確かな存在
ブルックリンの地下鉄の 上空から
ハーレムに向かって抜け出ていく


今日も気味の悪い菓子を食べさせられている
少年や娘たちの舌を 疑わさせられている
私は血や ピンクを見つめては
白色や涙や 青紫を 食べている



自由詩 12月のマンホールのつぶやき Copyright 番田  2010-11-29 02:55:14
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