創書日和【拒】Point of know Return
大村 浩一

拒まれて
塔の傍らに一人
辿りつけなかった人だってきっと多い
命あることはそれだけで幸甚だ
ひと気のないはいいろ硝子の塔へと
電梯にせり上げられていく
この眺めだって
十分に「上海的」だ

東京に居ながら
帰る家が無いなんて不思議
距離の見当を失いそうになって
身震いする
おいとま乞いは間もなく
わたくしのほうから


2010/11/26
大村浩一


自由詩 創書日和【拒】Point of know Return Copyright 大村 浩一 2010-11-26 19:44:40
notebook Home 戻る  過去 未来