あおいそら
ふるる

背中に翼を背負うことは
はばたくたびに涼しくて
さみしい

甘栗をひとつつまんで
お口にぽい
秋のしるしに鐘が鳴る

君の爪の色はいつからそんな色
くちびるは
いつからこんなにやわらかいの?

空がとても青いので
天使の足跡を探す
君の失うものが何であれ
僕には埋めることができない
君は君のくちびるに
言葉を
うめた

深海にすむ魚の謎は
まだほとんど解明されていないんだよ
彼らの目はおかしいくらい大きくて
どんな暗闇をどれほどの深さで見てしまうんだろう

海の深さと空の青さに
僕はひれ伏すよ
それから君にも

真面目な冗談を
こぼしたワインのしみのように
せっせと
洗っていた日曜日
午後は
晴れ過ぎだった

洗濯物のかげでひまそうにしていた
天使と少し話しをした
はばたくたびに
涼しいのだそう

かすかに
みはるかす
はるかなる
はかなすぎる

風はもう君の香り

秋のおわりに鐘が満ち
列車のレールがついに
雲の彼方へ伸ばされるそうだ


自由詩 あおいそら Copyright ふるる 2010-11-24 09:36:24
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